フィリピン人の公用語の1つにフィリピン語(タガログ語)がありますが、これはタガログ語をベースに定めたフィリピン人の共通言語です。
ですから「フィリピン語 ≒ タガログ語」になるのですが、フィリピン人は皆この言葉を使えるのでしょうか。
また、どんな人がタガログ語を使うのでしょうか。
今回はフィリピン人の母語「タガログ語」についてです。
母語のタガログ語を使う人はどんな人?
実はフィリピンにはタガログ語の他にセブアノ語やビコール語など110種類の言語があると言われています。
110種類ある言語でも「主要な言語」とされているのが、タガログ語、セブアノ語、イロカノ語、イロンゴ語、ビコール語、ワライ語、カパンパガン語、パンガシナ語の8種類。
ですから、地域によってはタガログ語を使わない所もあります。
しかし、それでは同じ民族同士でコミュニケーションが取れないという問題が発生するため、タガログ語を基に国民の共通言語としてフィリピン語を定めました。
フィリピン語とタガログ語はほとんど同じです。
公用語を「フィリピン語」という名前に変えた理由は、「タガログ語」という名前にすると、他の地域から反発を買う恐れがあったためです。
※本記事では、以降「フィリピン語 = タガログ語」として書いていきます。
タガログ語が公用語になってからは、セブやビコールなど、タガログ語を使わない地域の人たちも、義務教育の一環として勉強するようになりました。
つまり、フィリピン人は地域に関わらず、皆タガログ語を勉強することになります。
じゃあ、主にタガログ語を使う人はどんな人かというと、メトロ・マニラやルソン島中部の人たちで、人口にして2200万人に及びます。
地方の人たちのタガログ語のレベルは?
先ほど、普段タガログ語を使わない人たちも義務教育の一環としてタガログ語を学ぶという話をしましたが、その人たちのタガログ語のレベルはどの程度のものなのでしょうか。
セブやダバオ出身の人に聞いてみると、「一応コミュニケーションできるだけの能力はある」とのことでした。
人によってレベルは異なると思いますが、新聞、ニュースなどを読むことはできますし、タガログ語話者とも問題なくコミュニケーションが取れるそうですが、単語によっては少し発音が変だったり、間違えることもあり、やはり普段の生活でタガログ語を使う人たちよりも劣るそうです。
マニラ首都圏の人たちのタガログ語のレベルは?
子供の時からタガログ語を使って生活してきたわけですから、もちろんマニラ首都圏の人たちのタガログ語のレベルは高いです。
しかし、現地の人によると、タガログ語だけで会話できる人はほとんどいないのようです。
どういうことかと言うと、フィリピンには公用語としてフィリピン語の他に英語があります。
ですから、学校ではタガログ語に加え英語も勉強しますし、生活の中でも英語を使うようにしています。
その結果、タガログ語と英語をミックスして話したり、書いたりするので、全てをタガログ語だけで話したり、書いたりできる人がほとんどいないようです。
マニラに住むフィリピン人の知り合い10人に聞きましたが、皆同じ回答でした。
最後に
今回は、フィリピンの公用語「タガログ語」について、どんな人が使うのか、地域によってレベルが違うのかなどを紹介しました。
地方に行くと、タガログ語を使わない人もいますが、公用語として皆、一通り勉強しているので、タガログ語を学べば、コミュニケーションは取れるようです。
かなりマイナーな言語なので、人気はあまりないかもしれませんが、現地の言葉を知っていると喜んでくれる人もたくさんいるし、生活がより楽しくなりますよ。
フィリピンに住もうと思っている方は、勉強してみませんか。