英語の場合、過去や未来を表すのに「時制」があったり、主語の立場を表すのに「能動態」や「受動態」といった概念がありますね。
しかし、タガログ語に関しては、英語と同じような考え方ではなく次の3つの概念が導入されています。
- 相
- 焦点(フォーカス)
- モード
これらについてこのページではざっくりと解説していきます。
タガログ語の動詞と接辞
タガログ語の動詞は「語根」と「接辞」から形成されます。
「語根」とはその行為の意味合いを表すもので、「接辞」はその動詞はいつ行われた行為なのか(既に終わっているのか)、その行為の主語は何なのか、つまり冒頭で紹介した「相」・「焦点」・「モード」を表すことになります。
接辞とは接頭辞や接尾辞の総称で要は単語の頭やお尻にくっつくものを指します。
「相」とは?
「相」は英語でいう「時制」に近いもので、タガログ語の場合、動作や状態がまだ開始されていない状態なのか、それともすでに開始されているのかといった概念のことを指します。
タガログ語には以下の4つの相があり、それぞれの相によって動詞の活用の仕方が異なります。
- 不定相:活用しない基本の形
- 完了相:行為がすでに開始され、完了しているもの
- 未完了:行為がすでに開始されているが、まだ完了していないもの
- 未然:行為がまた開始されていないが、予期されるもの
「焦点(フォーカス)」とは?
焦点(フォーカス)とは、動詞文において何を主語にするかを決定するものです。英語では、動作を行う人、動作の対象となる目的物が主語になりますが、タガログ語ではそれ以外にありかなり複雑です。
実際に、タガログ語では次の8種類の焦点を扱います。
- 行為者焦点:行為者に焦点を当てて、主語にする
- 目的焦点:目的に焦点を当てて、主語にする
- 方向焦点:方向に焦点を当てて、主語にする
- 場所焦点:場所に焦点を当てて、主語にする
- 道具焦点:道具に焦点を当てて、主語にする
- 恩恵焦点:恩恵に焦点を当てて、主語にする
- 理由焦点:理由に焦点を当てて、主語にする
- 話題焦点:話題に焦点を当てて、主語にする
これらの焦点の違いにより、文の主語が異なってきます。
「モード」とは?
モードとは行為の種類を表すためのものです。
中立的な行為を表す「中立モード」、偶然的な要素が起因した動作を表す「状況モード」、他者と一緒に行う動作を表す「参加モード」の3種類あります。
ちょっとわかりにくいという人は、構文の1種だと思っておけばいいと思います。
あわせて読みたい