前回、行為者フォーカス動詞「mag動詞の活用ルール」について紹介しましたね。
今回は、mag動詞と同じぐらいよく登場する「um動詞」の活用ルールについて紹介します。まだ、mag動詞の活用ルールを知らないという方は、先にそちらを勉強しておきましょう。
um動詞の活用パターン
Um動詞の活用パターンは大きく分けて2通りです。
例を挙げると次のようになります。
パターン | ||
①語根が母音で始める | ②語根が子音で始まる | |
語根 | inom(飲む) | kain(食べる) |
不定相 | uminom | kumain |
完了相 | uminom | kumain |
継続相 | umiinom | kumakain |
未然相 | iinom | kakain |
上の表を見て、なんとなくパターンが分かりましたか?
mag動詞と比べると、ちょっとややこしいかもしれません。
では、詳しく解説していきますね。
1. 語根が母音で始まる場合
母音、つまり(a,i,u,e,o)で始まる場合、次のようなルールに沿って活用します。
- 不定相:「um」を語根の前につける
- 完了相:「um」を語根の前につける
- 継続相:「um + 語根の先頭文字」を語根の前につける
- 未然相:「語根の先頭文字」を語根の文字つける
um動詞の場合、不定相と完了相は同じ形になります。
パターンとしてはけっこう分かりやすいですね。
先ほどの「inom」を例にあげると、不定相と完了相は「um」をつけて「uminom」となります。
継続相は「um」+ 語根の先頭文字「i」+ 語根「inom」なので 、「umiinom」、未然相は語根の先頭文字「i」+ 語根「inom」なので、「iinom」となります。
2. 語根が子音で始まる場合
語根が子音で始まる場合は、次のようなルールに沿って活用します。
- 不定相:語根の1文字目と2文字目の間に「um」をつける
- 完了相:語根の1文字目と2文字目の間に「um」をつける
- 継続相:語根の最初の文字 + um + 語根の2文字目 + 語根
- 未然相:語根の最初の2文字 + 語根
例えば、「kain」を例に挙げると、不定相と完了相は、1文字目と2文字目の間にumを付けるので、「kumain」となります。
継続相は語根の最初の文字「k」+ 「um」 + 語根の2文字目「a」 + 語根「kain」なので、全てくっつけると、「kumakain」となります。これはちょっとややこしい・・・。
そして、未然相は語根の最初の文字「ka」+ 語根「kain」なので、「kakain」となります。
ルールがわかってもかなり複雑ですね。
特に継続相はパッと出てこないことでしょう。
なので慣れないうちは、もうそのまま暗記しちゃってください。そっちの方が早いです。
例外パターン
到着を意味する「dating」は子音から始まるため、umを付けると次のようになると思います。
語根 | dating |
不定相 | dumating |
完了相 | dumating |
継続相 | dumadating |
未然相 | dadating |
しかし、継続相と未然相は次のよう言います。
継続相 | dumarating |
未然相 | darating |
これはdが母音に挟まれると、rになるという傾向があるからです。
しかし、全ての単語がそうなるわけではないので、わからなかったら、dのまま使うのが無難だと思います。
実はdでも通じますし、dで使っている現地の人も多いです(僕の妻もdumadatingやdadatingを使うとのことでした)。
練習
ルールがわかったところで、練習してみましょう。
次の動詞の活用を考えてみてください。
不定相 | pumunta |
完了相 | pumunta |
継続相 | pumupunta |
未然相 | pupunta |
不定相 | sumulat |
完了相 | sumulat |
継続相 | sumusulat |
未然相 | susulat |
不定相 | kumanta |
完了相 | kumanta |
継続相 | kumakanta |
未然相 | kakanta |
不定相 | umuwi |
完了相 | umuwi |
継続相 | umuuwi |
未然相 | uuwi |
不定相 | umupo |
完了相 | umupo |
継続相 | umuupo |
未然相 | uupo |
不定相 | gumawa |
完了相 | gumawa |
継続相 | gumagawa |
未然相 | gagawa |
不定相 | bumili |
完了相 | bumili |
継続相 | bumibili |
未然相 | bibili |